デジカメ歳時記

THE ANSWER IS BLOWIN' IN THE WIND

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『遺影』  

4年ほど前、子供が通っていた保育園の関係で当時82歳だったお婆さんに戦中、戦後の話を聞きにいったことがある。その保育園の二代目園長だった人である。

3,4回だろうか、話を聞きに行った時、ついでに写真を撮らせてもらうことにした。現在の姿をカメラに収めたい、と気軽に思ったからだ。
撮れた写真を見て、僕は少し驚いた。そのカメラに微笑みかけている表情が実に自然でホントに良い顔をしていたからである。

そこで僕は写真を2Lサイズに現像してもらい、ちょっとした額に入れて「これこの前撮った写真が出来ましたので」と持って行った。
そして何週間後にまた話を聞きに行く機会が取れたのでお婆さんのお宅まで足を運んだ。お婆さんはリビングに入るなり僕の方を見て、

「あの写真を見るたびにねぇ、どうしても笑みがこぼれてしまうのよ」

そうか、喜んで頂けたんだな、と思い、

「あ、ホントですか、それは良かったです!」

と僕は言った。

「息子にね、『私が死んだ時はあの写真を遺影に使って』って言いましたの」

え、いやそんな縁起が悪いこと、、、。僕はそう思ったのだが、確かに年齢的にはそう言うことがあっても不思議でもなんでもない年齢であった。
そしてお婆さんは居住まいを正し、僕のことをキッと見つめてこう言ったのだ。

「私はこれでね、この世に思い残すことは何もありません!」

僕の身体に電流が走ったのを今でも覚えている。

category: 雑文

thread: 日記 - janre: 日記

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